夕方、呼び鈴が鳴った。
厨房にモニターが設置してあるので、女性二人でカメラに映る相手を見ていたそうだが、見知らぬ男性が
「木、見てくれ」
の一言だけだったそうだ。
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私はそれを知らずに呼び鈴の音に反応して玄関に向かった。
「針葉樹はお断りしている」
と伝えても通じない人が多いのですが、今回もそのパターンで「伐りたての新しい樹」と理解されたようだ。
「杉と松がお断り」
と言い直して、初めて理解された。
「松があるから駄目だな」
と言われたが、もう一種類あるようなのでトラックまで見に行くことにした。
荷台には葉と幹が分別されて積まれていた。
太い松の幹の他に樫と思われる木があったので、薪には適しているが、細すぎる物が多く、腕より太い物もあったが、長さは20～30cmに短く切られていているので薪としては短過ぎる。
ここで、貰ってあげて感謝されるようなら、次回に繋げる意味で、長さや太さの説明をした上で腕より太い物だけ受け取るのですが、今回の相手は最初から上から目線で、会話も成立しないので、多分引き取っても感謝はされないと思われた。
そこで、細かすぎるのを理由に断ることにした。
「あ、いいよ、分かった」
で、さようならとなった。
悪気の無いキャラなのかもしれないが、今後のお付き合いはご遠慮したい相手だった。
残念。
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